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平成26年度 主要普及成果の追跡調査

 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(以下「JIRCAS」という)では、第3期中期目標において、運営状況や研究内容について自ら適切に評価・点検し、その結果を業務運営に的確に反映させ、業務の重点化と透明性を確保することとしています。特に研究内容については、研究資源の投入と得られた成果の分析を行うとともに、具体的な指標を設定して評価・点検を行い、機動的な見直しを行う予定です。また、開発途上地域にとって有用な研究成果は「主要普及成果」として選定して、その普及・利用状況を把握・解析し、業務運営の改善に活用する方針としています。

 平成26年度は、「主要普及成果」の普及・利活用状況を効率的に把握するため、追跡調査の計画について重点的に見直しを行い、平成27年度に実施する準備を行いました。また、平成25年度に策定した以下4件の調査に関して、以下のようにとりまとめました。

平成26年度

ニジェール、マリにおける自然資源保全管理のためのガイドラインの整備

平成26年現在、ニジェール及びマリの両国は治安状況が悪く、現時点ではマニュアル等の利用状況について現地での追跡調査を実施することが困難であるため、カウンターパート機関にメールでの連絡の他、JICAなど関係機関から得られた情報などを整理しました。

ニジェールにおいては、平成24年度から開始されたJICAの「サヘル地域における貯水池の有効活用と自律的コミュニティ開発プロジェクト」で、植林活動実施のため、森林局の職員、森林官らがJIRCASの作成した植生保全マニュアルを教材として活用されており、タウア州6箇所、マラディ州12箇所及び首都ニアメ近辺の2箇所において使用されています。また、マリの農村経済研究所からは、クリコロ州の新しいプロジェクトに利用するコンポスト生産等のマニュアルや研究所員が参画したセミナーでの配布要望に応えるためのマニュアルの増刷要望(約2,400部、ガイドラインについては約400部)が出されるなど、その活用は着実に広がっていると思われます。

写真1 マニュアル作成時における実施研究の様子 写真2 マニュアルを使う農民への説明の様子
写真1 マニュアル作成時における実施研究の様子 写真2 マニュアルを使う農民への説明の様子

中国・新疆ウイグル自治区における定住牧畜民への技術支援対策

平成26年現在、中国・新疆ウイグル自治区の治安状況が悪く、追跡調査を行うことは困難でした。同区の治安回復を待ち、JICAプロジェクトの事後評価と合わせ追跡調査を進めて参ります。

高地下水位条件下における圃場レベルの塩害軽減対策のガイドライン

2013年2月に「高地下水位条件下における圃場レベルの塩害軽減対策ガイドライン」を取りまとめ、ウズベキスタン国側と協議の下、本編および簡略化した普及版(ロシア語版、ウズベク語版)を作成しました。ガイドラインでは、塩害の発生の仕組みとモニタリングの方法、簡易な節水灌漑手法、低コストの圃場均平手法、排水管理、対策資金の確保と土壌肥沃度改善のための輪作技術などを農家に分かり易く解説しています。現在、ガイドラインはフェルメル評議会により現地の関連セミナー等でも紹介され、普及が進んでいます。平成27年度に実施する追跡調査の準備として、関係機関にアンケート表を配布し、外部有識者として調査に参加していただく外部評価者を訪問し、調査に関連する詳細について打合せを行いました。

東北タイにおけるチーク植栽土壌適地図の作成

平成27年度に実施する追跡調査の準備として、カウンターパート機関の同意を得たのち、外部有識者として調査に参加いただく外部評価者を訪問し、当該主要普及成果の背景、目的及び内容について説明するとともに、追跡調査の調査項目と行程などについて、打合せを行いました。

平成27年度

平成27年度は下記の2件に外部評価者を招き現地調査を実施するほか、平成28年度の調査について準備を進めます。

高地下水位条件下における圃場レベルの塩害軽減対策のガイドライン

  • 出張予定 平成28年10月(予定)
  • 外部評価者 九州大学大学院農学研究院 凌 教授
  • プロジェクト担当者 農村開発領域 奥田幸夫

東北タイにおけるチーク植栽土壌適地図の作成

  • 出張予定 平成28年6月14日〜20日(4月入り次第手続き)
  • 外部評価者 三重大学 大学院生物資源学研究科 松村教授
  • プロジェクト担当者 林業領域 野田巌

平成28年度追跡調査の準備

  1. 新疆ウイグル自治区における地元行政主導の定住牧畜民への技術支援対策
  2. 微生物によるセルロースの低コスト直接糖化法の開発
  3. アフリカ稲作振興のための土壌肥沃度改善技術マニュアル