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国際農林水産業研究成果情報 第5号 【1997(平成9年度)】

カンキツグリーニング病の抗血清診断法

〔 要約 〕り病カンキツ葉の中肋を酵素処理して、し部組織を取る。その組織を磨砕・分画遠心後、最終沈殿をNaCl溶液(中肋重量の40倍濃縮)に懸濁する。この試料1滴を、本病原菌抗血清1滴に滴下する。この微滴法によって、明瞭な陽性診断ができる。
所属 国際農林水産業研究センター・生産利用部、果樹試験場・保護部、タイ農業局 連絡先 0298-38-6307、0298-38-6546
推進会
議 名
国際農業 専門 持続生産 対象 作物保護 分類 国際

[ 背景・ねらい]

タイを含む、アジアの国々や、アフリカ、アラビア半島において、カンキツグリーニング病が最大の生産阻害原因となっている。本病はとにかく早期に罹病樹を発見してこれを焼却する対応が必要である。診断法として、最近PCR診断法が開発されたが、高価な酵素等が必要なため現実的でない。そこで開発途上国等でも使える、安価で簡易な抗血清診断法を世界に先駆けて開発した。


[成果の概要・特徴]
  1. グリーニング病原体(GO)をニチニチソウで接ぎ木接種し、病微発現(黄化)した葉を用いて病原体を部分鈍化した。
  2. 抗血清作製法は、初めに罹病葉の中肋から酵素処理してまず篩部組織を取る。その後、それを部分鈍化して標品を得る。それを兎に5回注射して抗血清を作製した。
  3. 次に、グリーニング病にかかったかどうかを診断するためテストするカンキツ葉約50枚を用いて、酵素処理により篩部組織を取り、これを更に処理し、最終的に中肋重量の40倍濃縮の懸濁液を得た。この試料を16倍希釈の抗血清に滴下したところ、明瞭に凝集する陽性反応が得られた。(写真1で強い凝集のため、外周が完全に透明(黒色)になった)。
  4. この抗血清を用いると、他の病原(CTV弱毒系)について微滴法では陽性反応がなかった。この故に本法によりグリーニング病罹病の陽性診断が可能であることが判明した。

[成果の活用面・留意点]

低コストで簡便に利用できる。予算の少ない途上国、首都から離れた地域に普及できる。疑罹病の中肋試料を−80°Cに蓄積・保存した後にも診断できる。1ml の抗血清で少なくとも1,600の試料を診断できる。


[具体的データ]

写真1


[その他]
研究課題: カンキツグリーニング病の抗血清診断法の開発・確立・改良
予算区分: 経常・熱帯プロ
研究期間: 平成9年度(平成8〜9年)・平成7年度
研究担当者: 大津善弘(果樹試)、川嶋浩二(国際セ・生産利用部)協力:M. Prommintara(タイ農業局)、奥田誠一(宇都宮大)、中島一雄(国際セ・生物資源部)、加納 健(果樹試)
発表論文等: 大津善弘ら(1995a)日植病報61(609〜610)(講要)、大津善弘ら(1995b)日植病報61(610)(講要)、大津善弘(1996)植物防疫50(236〜239)(総説)、大津善弘(1997)日植病学会第19回植物細菌病談話会講演要旨集61〜68学会誌投稿準備中
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