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国際農林水産業研究成果情報 第6号 【1998(平成10年度)】

南米における大豆の不耕起栽培技術の改善方向

〔 要約 〕南米において急速に普及しつつある大豆の不耕起栽培技術の問題点を解析し、今後の改善方向を提示した。土壌下層の物理生・化学性改良、土壌伝染性病害の制御及び除草剤の軽減などが今後の重要な改善方向である。
所属 国際農林水産業研究センター・海外情報部 連絡先 0298(38)6304
推進会
議 名
国際農業 専門 栽培 対象 大豆 分類 研究

[ 背景・ねらい]

南米地域における大豆生産は過去30年間に急速に増加し、現在では世界の生産量の約1/3を占めている。大豆の栽培は従来、播種前の耕起および生育期の中耕・除草が必須の作業であったが、近年、土壌浸食の防止を主たる目的として、これらの作業を省略した不耕起栽培が急速に普及しつつある。本研究では、現地調査を実施するとともに南米の研究者を招聘した現地セミナーを開催して、不耕起栽培の現状と問題点を解析し、今後の改善方向を提示した。


[成果の概要・特徴]
  1. 不耕起栽培技術の普及の現状
    不耕起栽培は、1960年代以降、新しい除草剤と効率的な不耕起播種機の開発を契機として、多くの地域に普及しつつある(表1)。土壌浸食の防止効果が大きいこと、トラクターの耐用年数の増加と燃費の節約が可能であること、適期播種期問が拡大することなどの利点から、南米の多くの大豆栽培地域においては主要な栽培体系になりつつある。
  2. 技術的側面からみた不耕起栽培技術の問題点と改善方向
    • 問題点
      土壌の種類によっては下層の緊密化や透水性の低下がみられ、酸性などの不良土壌では下層の化学性改良が困難である。前作の残さを地表に残すことから、土壌伝染性病害の発生が増加する場合がある。また、除草剤への依存度が高いこと、作付け体系が限定されることも問題である(表2)。
    • 改善方向
      土壌下層の物理性・化学性改良技術の開発および病害・雑草害抑制のための作付体系の開発が重要である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  • 南米地域における研究プロジェクトの研究課題の設定に資する。
  • 現地セミナーの成果はプロシーディンクを発行し、広く配布する。

[具体的データ]

表1

表2


[その他]
研究課題: 南米諸国における大豆の高位生産・利用技術の総合的開発研究
予算区分: 国際農業(南米大豆)
研究期間: 平成9〜10年
研究担当者: 国分牧衛
発表論文等: 国分牧衛(1997年):パラグアイ−イグアス移住地での大豆不耕起栽培。農業及び園芸72(3):379-382.

国分牧衛(1998年):南米の大豆作と国際共同研究。農業技術53(8):347-377.Kokubun,M.,ed(1998):No-Tillage Cultivation of Soybean and Future Research Needs in South America. JIRCAS Work.Rep.No13

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