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国際農林水産業研究成果情報 第6号 【1998(平成10年度)】

糸状菌の一種に感染した暖地型イネ科牧野草の害虫に対する摂食阻害作用

〔 要約 〕石垣島において、暖地型イネ科植物15草種において糸状菌の1種 Ephelis sp.の感染が確認された。これらの車種のうちパンゴラグラスにおいては、アワヨトウ幼虫およびマダラバッタ成虫が感染葉よりも非感染葉をより好んで摂食した。
所属 国際農林水産業研究センター・沖縄支所・作物保護研究室 連絡先 09808(2)2306
推進会
議 名
国際農業 専門 作物害虫 対象 牧草類 分類 研究

[ 背景・ねらい]

牧草・芝草類では農薬による病害虫の防除が困難なため生物機能を利用した防除方法に期待が寄せられている。糸状菌の中には、耐虫性や耐干性の向上など、栽培上有利な特性を宿主植物に付与するものがあり、一部の寒地型牧草ではすでに実用化されている。本研究では、暖地型の牧草・芝草類における糸状菌感染植物の探索と、感染植物を用いた耐虫性の検討を行った。


[成果の概要・特徴]
  1. パラグラスBrachiaria mutica (Forsk.) Stapf、シマヒゲシバChloris balbata Swarzt.、ヒメヒゲシバC.divaricata R.Br.、 オキナワミチシバChrysopogon aciculatus (Retz.) Trin.、バミューダグラスCynodon Dacylon (L.) Pers.、ジャイアントスターグラスC.pletostachyrus, (K.Schm.) Pilger,パンゴラグラスDigitaria decumbens Stent.、アキメヒシバ D. violascens Link、チガヤ Imperata cylindrica (L). Beauv.var. koenigii (Retz.) Durand et Schinz、イトアゼガヤLeptochloa panicea (Retz.) Ohwi 、イヌビエ panicum scrobiculatum G.Forst ハイキビP. repens L. スズメノゴビエ Paspalum scrobiculatum G. Forst. タチスズメノヒエ P. urvillei Steud、ムラサキノキビ Eriochloa procera C.H.Hubb.、のイネ科15草種において、糸状菌の1種 Ephelis sp.の感染が確認された。
  2. アワヨトウ幼虫およびマダラバッタ成虫はパンゴラグラスの感染葉よりも非感染葉をより好んで摂食する傾向にあった(図1,2)。また、マダラバッタ成虫ではパンゴラグラスの感染葉で飼育した場合に、非感染葉で飼育した場合と比較して生存日数が短かくなった(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 牧草・芝草類における糸状菌利用技術の開発の際の基礎資料となる。
  2. 牧草に利用する場合は本菌の家畜毒性についての検討が必要である。

[具体的データ]

図1図2

 

表1


[その他]
研究課題: 牧草・芝草類におけるエンドファイト(植物内生菌)利用技術の開発
予算区分: 経常
研究期間: 平成10年度(平成9〜11年度)
研究担当者: 高橋敬一・河野勝行 (国際農林水産業研究センター)・月星隆雄・島貫忠幸・小林真(草地試験場)
発表論文等:
  1. 石垣島で発見された暖地型エンドファイトと感染植物の耐虫性.応動昆講演要旨4,p22(1998)。
  2. バミューダグラス等のミイラ穂病とそのエンドファイトとしての特性,芝草研究,27巻・大会誌,110-111(1998)。
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