TOP >アーカイブス(刊行物:国際農林水産業研究成果情報第8号)

国際農林水産業研究成果情報 第8号 【2000(平成12年度)】

カザフスタン産マメ科牧草エスパルツェトの種子は、地域的変異があり、強いアレロパシーを示す

〔 要約 〕カザフスタン産エスパルツェト(Onobrychisspp.)は1個の果皮の中に1個の種子を有し、その形態には地域的変異がある。果皮付種子の発芽は、果皮を除去した裸種子よりも遅れる傾向がある。サンドイッチ法によりアレロパシーを検定すると、果皮を除去した種子が最も強い。
所属 国際農林水産業研究センター・畜産草地部 連絡先 0298(38)6308
推進会
議 名
国際農業 専門 栽培 対象 牧草 分類 研究

[ 背景・ねらい]

中央アジアには広大なステップおよび山岳部草原が拡がり、旧ソ連邦時代の計画経済社会においては牧畜が行われていた。しかし、ソ連邦が崩壊し共和国が独立してから、社会経済的な影響も加わり、ステップを中心とした草地の荒廃が進んでいる。この荒廃を抑えるためには、在来のマメ科牧草エスパルツェトの導入も重要な技術であり、その際、雑草コントロールの観点からアレロパシーが重要な特徴である。そこで、種子の形態、発芽特性,並びにアレロパシーの強さを明らかにし、本種を定着させるための基礎的知見を得る。


[成果の概要・特徴]
  1. カザフスタン国内から採種したエスパルツェトは、1個の果皮の中に1個の種子を有するが、果皮付の種子の千粒重は19.7〜24.1g、果皮を除去した種子のそれは14.8〜16.3g、その比は0.65〜0.75であり、種子の形態は地域によって異なる(表1)。
  2. エスパルツェトの種子の初期発芽率は、果皮付よりも果皮を除去したほうが良い(図1)。
  3. 種子からのアレロパシーの強さをサンドイッチ法で検定すると、果皮を除去した種子の活性が最も強い(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 中央アジアの荒廃したステップ草地へのエスパルツェトの導入・定着時の技術的なデータとして幅広く活用できる。
  2. エスパルツェトはアレロパシーの強い植物群に分類されるが、実際の草地における発芽の特徴およびアレロパシーは今後の検討が必要である。

[具体的データ]

表1 図1 表2


[その他]
研究課題: 中央アジアにおける持続的草地管理技術の開発
予算区分: 国際農業[中央アジア]
研究期間: 平成12年度(8〜11〜12年度)
研究担当者: 佐藤健次,藤井義晴(農環研),安藤康雄,Edik Urazaliev(カザフスタン農業研究所)
発表論文等: 佐藤健次,藤井義晴 (2000):エスパルツェトの発芽特性及びアレロパシー.雑草研究,45(別),94-95.
前のページ

次のページ