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国際農林水産業研究成果情報 第8号 【2000(平成12年度)】

サトウキビにおけるスクロースリン酸シンターゼ(SPS)遺伝子の識別法

〔 要約 〕サトウキビの光合成および糖蓄積に関与している酵素スクロースリン酸シンターゼ(SPS)の遺伝子は、トウモロコシのSPS遺伝子の一部を用いたサザンブロット法により識別できる。
所属 国際農林水産業研究センター沖縄支所・作物育種世代促進研究室 連絡先 09808(2)2306
推進会
議 名
国際農業、バイテク 専門 バイテク 対象 工芸作物類 分類 研究

[ 背景・ねらい]

スクロースリン酸シンターゼ(SPS)は、光合成系における転流スクロースを合成する酵素として注目されている。サトウキビでは、茎でのスクロースの合成・貯蔵に関わっており、スクロース含有率に関係する重要な酵素と考えられている。そこで、本研究では品種育成に役立てるため、サザンブロット法によってSPS遺伝子を識別する方法を開発する。


[成果の概要・特徴]
  1. トウモロコシで単離されているSPS遺伝子を切断して4つのプローブとし、サトウキビのゲノムDNAでサザンハイブリダイゼーションを実施すると、いずれのプローブでもバンドが検出できる。(図1-a)
  2. 制限酵素 XbaTで断片化したゲノムDNAでは、4つのプローブで同じ泳動位置に共通したバンドがみられ、バンドを呈するDNA断片は4つのプローブと一致する部分を含んでいる。また、制限酵素HindVまたは SacTとC断片プローブを組み合わせた検出では、ひとつのバンドしかみられず、バンドを呈するDNAはHindVおよび SacTのそれぞれに2つずつの共通した制限酵素認識配列を有している。これらのことから検出されるバンドはSPS遺伝子であると考えられる。(図1-b,c)
  3. サトウキビのSPS遺伝子は、3'末端外側の異なる位置にSacT認識配列を有していると考えられ、ゲノムDNAを制限酵素 SacTで切断し、Dプローブを用いて検出するとSPS遺伝子近傍の変異が識別できる。この方法で検出すると品種間で異なるバンドパターンがみられる。ただし、下位に共通してみられるバンドは、SPS遺伝子に共通した断片に由来するバンドで、特定の遺伝子を示すものではない。(図1-c,d)

[成果の活用面・留意点]
  1. 遺伝資源の評価・利用に活用できる。
  2. 新たなSPS遺伝子のスクリーニングに利用できる。
  3. トウモロコシのSPS遺伝子とは相同性の低いSPS遺伝子が知られており、検出できないSPS遺伝子があることに注意する必要がある。

[具体的データ]

図1


[その他]
研究課題: サトウキビ高糖性遺伝子の解析
予算区分: 経常
研究期間: 平成12年度(9〜11年度)
研究担当者: 寺内方克、斉藤 彰(九農試)、宮崎 力(科学振興事業団)、木村貴志(九農試)、出田 収、松岡 誠
発表論文等: Terauchi T., M. Quintana, C. Bangwaek and Matsuoka M. (2000) Gene analysis of sucrose accumulation related enzyme. 6th ISSCT Breeding Workshop Abstracts:8
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