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国際農林水産業研究成果情報 第9号 【2001(平成13年度)】

ダイズリポキシゲナーゼアイソザイムの改良簡易迅速検出法

要約 青臭み因子であるダイズリポキシゲナーゼアイソザイムの脱色反応利用選抜法を改良することによって、微量の同一検定試料と微量の検出溶液を用い、L−3検定後、L−1検定を続けて行い、全有、L−3欠失、L−1・L−2二重欠失および完全欠失個体を簡易、迅速に検出することが可能となる。
担当 生物資源部 菊池彰夫
分類 研究

[ 背景・ねらい]

ダイズリポキシゲナーゼは、3 つのアイソザイム(L-1、L-2、L-3)からなり、大豆製品の豆臭や青臭み発生の原因となっている。この不快臭は、南米諸国における食用としての消費を制限している大きな要因の一つであることから、同地域での需要拡大にとって本酵素欠失大豆品種の育成が望まれている。本酵素欠失育種において、多検体を効率的に選抜する必要があるが、これまでに報告されてきた検出手法は煩雑な操作や時間を要する問題を抱えている。ここでは、Suda ら(1995)の脱色反応利用選抜法を改良し、本酵素の簡易迅速選抜法を開発する。


[成果の概要・特徴]
  1. Suda らの方法で用いられているL-3 検出溶液の緩衝液濃度を半分にし、緩衝能を弱めることによって、Suda らの方法とは違い、同一試料を使用してL-3 検定後、L-1 検定を続けて行うことが可能となり、準備する検定試料の量も半分となる(表1、図1)。
  2. Suda らによる試験管を利用する方法とは違い、血液検査用などに用いられる白色トレーを使用することによって、呈色度合いが明確に判別され、各検出溶液の適用が微量(1 試料当たり250μl)となる(表1、図1)。
  3. 本改良法によって、リポキシゲナーゼ完全欠失大豆と普通大豆との交雑後代を検定する際、全有、L-3欠失、L-1・L-2 二重欠失および完全欠失個体を無色、黄色、青色および緑色の呈色で各々簡易、迅速に検出することが可能となる(図1、図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本改良法は、リポキシゲナーゼ完全欠失大豆を用いた交配育種を効率的に進めるための選抜法となる。
  2. L-1 およびL-2 生産支配遺伝子座間には非常に強い連鎖関係が存在するため、本交雑後代の検定の際、Suda らの方法で用いられているL-2 検定を省略することができる。

[具体的データ]


[その他]
研究課題:
大豆種子成分の遺伝的改良技術の開発
予算区分:
国際プロ〔南米大豆〕
研究期間:
2001 年度(1998 〜 2001 年度)
研究担当者:
菊池彰夫
発表論文等:  
  1. Kikuchi, A., Bordignon J.R., Mandarino J.M.G. and Carrao-Panizzi M.C. (1999):Metodo simples e rapido para identificacao das isoenzimas (L-1, L-2, L-3) de lipoxigenase em sementes de soja. Congresso Brasileiro de Soja (Supplement), p.463 (in Portuguese).
  • 参考文献:Suda et. al. (1995) J. Agric. Food Chem. 43 (3) 742-747.

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