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国際農林水産業研究成果情報 第9号 【2001(平成13年度)】

タイ東北部におけるホルスタイン種乾乳牛のエネルギー要求量

要約 タイ東北部のホルスタイン種乾乳牛では、エネルギー出納は大豆粕の給与(CP)水準が高くなるに従いエネルギー蓄積量が増加する。乾乳牛の維持に要する代謝エネルギー(ME)要求量は409KJ/BWKg0.75である。
担当 畜産草地部 尾台昌治、川島知之(畜産草地研)、Pimpaporn Pholsen(コンケン畜産研究センター)、Witthaya Sumamal(コンケン畜産研究センター)Taweesak Chuenpreecha(コンケン畜産研究センター)
分類 研究

[ 背景・ねらい]

耕畜連携によるタイ東北部の持続的農業生産システムの構築が望まれている。家畜の生産性を向上させるためには飼料の栄養価と家畜の要求量を求めて有効な飼養管理技術を確立する必要がある。そこで、同地域での酪農の推進を図る一環として、ホルスタイン種乾乳牛における維持に要する代謝エネルギー要求量を明らかにする。


[成果の概要・特徴]

代謝試験にはルジーグラス乾草と大豆粕の給与(CP)水準を変えた下記の飼料給与区を設けた。

  1. ルジーグラス乾草100%、CP3.3%
  2. ルジーグラス乾草92.9%と大豆粕7.1%、CP6.4%
  3. ルジーグラス乾草85.8%と大豆粕14.2%、CP9.7%
  4. ルジーグラス乾草78.4%と大豆粕21.6%、CP13.1%

試験には乾乳牛4 頭(平均体重399Kg)を用いて1 期2 週間で後半5 日をサンプル採取期とし、残飼量、全糞・全尿、呼吸ガス(マスク法)を採取して飼料の消化率、酸素の消費量、炭酸ガス、メタンガスの発生量などを測定した。また、全試験の終了後に5 日間の絶食試験を行い、呼吸ガスを測定した。

  1. エネルギーの損失では、糞への損失はCP 水準が高くなるに従って減少するが、逆に熱発生量は増加する。エネルギー全体の収支ではCP 水準が高くなるに従って蓄積量が増加する(表1)。
  2. 乾乳牛の維持に要する1 日当たり代謝エネルギー要求量は、絶食期を含めた代謝体重当たりの代謝エネルギー摂取量とエネルギー蓄積量の関係から回帰式Y = 0.785X − 321 が求められ、代謝エネルギー要求量409KJ/BWKg0.75 である(図1)。これは日本のホルスタイン種の値487KJ/BWKg0.75 より小さい。
[成果の活用面・留意点]
  1. この結果はタイにおけるホルスタイン種の維持に要する代謝エネルギーの要求量として飼料給与量の計算に応用でき、飼養標準作成の基礎数値として活用できる。
  2. 泌乳牛における維持ならびに産乳に要する代謝エネルギー要求量も求めてタイ独自の飼養標準を作成する必要がある。

[具体的データ]


[その他]
研究課題:
タイ国東北部における地域飼料資源を活用した乳用牛等大型反すう家畜の栄養生理学的特性の解明
予算区分:
国際プロ〔東北タイ〕
研究期間: 2001 年度(1995 〜 2001 年度)
研究担当者: 尾台昌治, 川島知之(畜産草地研), Pimpaporn Pholsen, Chuenpreecha(コンケン畜産研究センター)
発表論文等:  
  • (準備中)

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