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国際農林水産業研究成果情報 第9号 【2001(平成13年度)】

中国産淡水魚類筋肉の鮮度変化の特徴

要約 中国において養殖生産量の多いハクレンおよび草魚は、官能検査による品質評価ならびにK-値の変化の特性から判断すると、即殺後の適切な温度管理により、鮮魚として3日間の流通が可能である。
担当 水産部 横山雅仁、陳舜勝(上海水産大学)
分類 研究

[ 背景・ねらい]

中国の漁業生産量は年間4,000 万トンを超え、世界の総漁業生産量の3 割を占めるに至っている。この大きな生産を支えているのが、他に類を見ない淡水魚類の養殖で、大部分はこれまで活魚として流通してきた。活魚としての流通は鮮度を保証するものの、流通範囲や流通量等は限定的である。このため、鮮魚あるいは冷凍魚としての流通に関する技術の確立が重要である。また、加工原料としても原料の鮮度は製品の品質および品質管理の重要な要素となる。これまで中国国内で淡水魚は活魚として流通してきたため、鮮魚あるいは冷凍品の鮮度管理等についての知見が乏しい。このため、中国特産の淡水魚類筋肉の鮮度変化についての基礎的な情報を得る。


[成果の概要・特徴]
  1. ハクレンおよび草魚を即殺の後5、10、20oC で保存し、その間の鮮度低下の様子について、魚体の外観、においの変化などの官能検査およびK- 値の変化(筋肉中の核酸関連物質の分解の程度)によって調べた。
  2. 官能検査値の変化は保存温度が低いほど緩やかであるが、5oC の保存条件でも3 日間で食用の限界である評価点8 以下に至る(図1)。
  3. K- 値は、20oC では保存中に急激に上昇したものの、5,10oC では変化が遅く、これらの魚種では魚肉筋肉自身の性質としての鮮度変化が緩慢である(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 温度と微生物を適切に管理すれば鮮魚としての流通は可能であり、さらに流通期間を延ばすこともできると考えられるが、実際の流通方法については今後の検討が必要である。
  2. 中国では、鮮魚としての流通については、インフラの整備とともに今後の啓蒙が重要である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題:
中国淡水漁業資源の有効利用技術の開発
予算区分:
国際プロ〔中国食料資源〕
研究期間: 2001 年度
研究担当者: 田横山雅仁、陳舜勝(上海水産大学)中良平・Wan Rosli Wan Daud(マレイシア理科大学)
発表論文等:  
  • (未発表)

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