TOP >アーカイブス(刊行物:国際農林水産業研究成果情報第10号)

国際農林水産業研究成果情報 第10号 【2002(平成14年度)】

ミトコンドリア型スモールヒートショックプロテイン遺伝子を導入したタバコの耐暑性

〔 要約 〕トマトのミトコンドリア型スモールヒートショックプロテイン(MT-sHSP)遺伝子を、センス向きに導入したタバコは耐暑性を示す。また、アンチセンス向きに導入したタバコは熱感受性を示す。
所属 国際農林水産業研究センター・沖縄支所・環境ストレス耐性研 連絡先 0980(88)6202
推進会
議 名
国際農林水産業 専門 生理、バイテク 対象 タバコ、葉菜類、果菜類 分類 研究

[ 背景・ねらい]

いわゆるストレス反応を支える一群のタンパク質として最もよく知られているヒートショックプロテイン(HSP)は、環境変化に反応して抵抗性を誘導し、さらに普段から分子シャペロンとしてタンパク質の介添え役を果たしていることがわかってきている。低分子スモールヒートショックプロテイン(sHSP)も分子シャペロンとしての機能を有することが明らかとなり(平成13年度国際農林水産業研究成果情報)、ミトコンドリア型スモールヒートショックプロテイン(MT-sHSP)遺伝子を導入することによる耐暑性作物の作出を目指す。


[成果の概要・特徴]
  1. トマトMT-sHSP遺伝子を導入したT2世代タバコは、過剰発現させたセンス系統、発現抑制させたアンチセンス系統とも遺伝子の発現量によらず野生型と同等の生長をし、生育異常は見られない(図1)。
  2. センス系統タバコは、常温においてもMT-sHSPを顕著に発現する(図2A)。また、アンチセンス系統は熱ストレス下においてMT-sHSPの発現が抑制されている(図2B)。
  3. センス系統タバコは耐暑性を、またアンチセンス系統タバコは熱感受性を示す(図3)。

[成果の活用面・留意点]

耐暑性作物作出のためにトマトMT-sHSP遺伝子が利用できる。


[具体的データ]


[その他]
研究課題:
サヤインゲン等の高温ストレス耐性に関する生理生化学的特性評価
予算区分:
招へい、生研機構〔新技術新分野〕
研究期間:
2002年度(1998〜2002年度)
研究担当者:
庄野真理子,三宮一宰,Jian Liu (Shandong Teacher Univ., China),Ishwar Singh (Indian Institute of Sugarcane Research, India),Jaral Ud Din (Land Resources Research Institute, Pakistan),鈴木克己,塚口直史(新潟大),江川宜伸
発表論文等:
  1. 遺伝子情報データベースDDBJに登録(accession number AB026983)
  2. Liu, J. and Shono, M. (1999): Characterization of mitochondria-located small heat shock protein from tomato (Lycopersicon esculentum). Plant and Cell Physiology, 40,1297-1304.

前のページ

次のページ