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「資源環境管理」
開発途上地域の土壌、水、生物資源等の持続的な管理技術の開発

「島嶼環境保全」島嶼における環境保全型農業生産技術の開発

 太平洋諸島等の多くの小島嶼国は、気候変動、海面上昇及び極端な降雨の減少に対して脆弱で、特に水資源の確保のための対策が急務となっています。サンゴ石灰岩を基盤とする島嶼において、珊瑚礁が隆起した石灰岩台地からなる高島のモデルとしてフィリピンのネグロス島におけるサンゴ石灰台地より上から流下する深層地下水を対象とし、低島の環礁島のモデルとしてマーシャル国ローラ地区において地下水の海水を含む帯水層の上部において密度差によってレンズ状に浮いている淡水レンズと呼ばれる淡水域を対象とします。
旱魃年には、飲料水や灌漑用水等の確保は、深刻な問題となっているため、海水から淡水を低コストで供給することができる小規模な淡水装置の開発を行っています。
高島の地下水については、窒素による地下水汚染を原単位法等により定量的に評価し、各発生源の寄与率を推定するとともに、汚染窒素の起源を推定し利用可能な地下水の硝酸態窒素汚染評価手法を開発します。低島では、淡水レンズの動態を把握するための技術を開発し、淡水レンズ動態シミュレーションにより、地下水賦存量の変化を明らかにし、持続可能な取水方法と水質保全対策を提言します。
地下水への負荷が少ない農業生産システムとして、地域で循環可能な肥料源を探索し、特徴を有効に活用した施肥技術を開発し、汚染の軽減に寄与するとともに、土壌が浅く、肥沃度に乏しい高島の山地環礁島を対象に、肥料源を有効に利用する潅水システムを開発します。
これらの成果をまとめ、最終的には行政官が地域開発を行う上で利用可能な意志決定システムを開発します。


図1 窒素汚染が進むネグロス島の井戸
 
図2 地下に淡水レンズを有するマーシャル諸島ローラ地区

関連のマニュアルなど

淡水レンズ保全管理マニュアル(Laura Lens Conservation and Management Manual)
マーシャル国において干ばつ時の過剰揚水により塩水上昇(アップコーニング)が発生したマジュロ環礁ローラ島の淡水レンズを持続的に利用するための水利用法を改善し、行政機関が実施する管理保全体制について記載しています。