FAO TCP Facility Project Workshopの開催

JIRCASとFAO は、カンボジアとラオスを対象として当該国の投資計画や栄養不足・貧困に対する政策策定に寄与するため、汎用的なソフトウェアを用いて各国政府で運用可能な計量経済モデルを開発してきました。本ワークショップ (Crop Supply and Demand Analysis in Cambodia and Laos) は、モデルの背景、構造、分析結果を示すとともに、参加者にモデルを提供してその操作及び拡張の技術を移転することを目的として、JIRCASとFAOアジア・太平洋地域事務所(RAP)が主催し、ASEAN 食料安全保障情報システム(AFSIS)の協力を得て、平成25年7月8日にタイ・バンコクで開催されました。ワークショップには、ASEAN10ヶ国の農業経済、農業統計の専門家を中心に約50名が参加しました。

冒頭のオープニングセッションでは、FAO RAP 副代表のMr. Vili A. Fuavaoが、「2050年の世界の食糧需要に対応するためには、今後食糧生産を約70%増産することが必要。農地の制約、都市人口増加、生産性向上の鈍化、気候変動など、食糧増産には課題が大きい。食糧需給の正確な分析を行うため、モデル開発の重要性は高い。」と開会挨拶を行いました。また、タイ農業・協同組合省農業経済事務所(OAE)局長のMr. Apichart Jongskulが、歓迎挨拶の中で「正確な食糧需給モデルは研究者だけでなく、政策立案者にとっても利用価値が高い。」として、ワークショップに対する期待を強調しました。さらに、JIRCAS小山修研究戦略室長から、JIRCASにおける需給モデル研究の歴史が説明され、JIRCASの開発したモデルが現在もFAOやIFPRIなどの国際機関で活用されていること、需給モデルは食糧市場を理解する強力なツールだが、限界を理解して活用することが重要であること等が述べられました。

ワークショップでは、「FAO GCPプロジェクトで開発されたASEANモデル」及び「計量経済モデルの理論・技術的背景」(タイ・カセサート大学 Dr. Prapinwadee Sirisupluxana)、「カンボジアとラオスにおける食糧需給モデル:構成と予測結果」、「食糧需給分析に向けた研究成果活用」(JIRCAS草野栄一研究員)などの講演が行われ、東南アジアにおけるモデル開発の現状と成果の活用について議論が行われました。

最後に、FAO RAP小沼廣幸代表から、「FAOにおける食糧需給モデルは、日本政府の支援による開発が行われた後、現在はラオスとカンボジアをモデル国として、その改良を図ってきた。他国からの助言も得て、モデルがASEAN各国に幅広く活用されることとなることを期待している。」との閉会挨拶がなされました。

  • ワークショップで講演する小山研究戦略室長

    ワークショップで講演する小山研究戦略室長

  • FAO TCP Facility Project Workshop参加者

    FAO TCP Facility Project Workshop参加者