タイのため池に関する現地調査

JIRCASは、サブサハラアフリカにおける稲作を推進することを目的として、同地域におけるため池などの水利施設の管理状況、水管理技術の実態について調査を行っています(農林水産省補助事業 アフリカ稲作普及促進整備調査)。2013年7月、アジアで行われているため池築造技術や水管理の経験をアフリカで活用する可能性を検討するため、タイにおけるため池など小規模灌漑の現状に関する現地調査がタイ土地開発局(LDD)の協力を得て行われました。

タイ中央部における調査では、プラチンブリー県とナコンナヨック県を対象とし、ため池の水管理や水利用の状況を、受益農家やLDD地方事務所担当者などからの聞き取りにより把握しました。

プラチンブリー県では、比較的大規模(貯水面積約10万平米及び5万平米)のため池2ヶ所を訪問し、ナコンナヨック県では小規模(貯水量1,260立米)のため池2ヶ所を訪問しました。大規模のため池では、建設後の管理体制の差が、水利用や受益者の農業生産に強く影響すること、小規模のため池は、2万バーツ(約6万円)の費用で建設でき、主に生活用水や家庭菜園に使用されていますが、雨期に池に入った魚の捕獲などで、農家の収入改善に役立つことがわかりました。

また、タイ東北部コンケン県では1260プロジェクト(タイ国が進めている小規模ため池整備プロジェクト)を中心に調査を進めました。ため池は整備後に土砂が溜まり機能が低下していくのですが、当地ではVetiver Grass (Chrysopogon zizanioides)でため池周辺を保護することにより土砂堆積を抑える取り組みをしていました。また、砂質土はため池からの漏水が大きいのですが、ベントナイト(粒子の細かな粘土)による遮水などアフリカでも適用できる可能性のある技術が多くありました。

  • ため池現地調査(ナコンナヨック県)

    ため池現地調査(ナコンナヨック県)

  • ため池周辺のVetiver(コンケン県)

    ため池周辺のVetiver(コンケン県)