情報
戦略的な国際情報の収集分析提供によるセンター機能の強化
今日、グローバル・フードシステムは、気候変動や感染症といった地球規模の危機にさらされています。また、国際的に取引される農産物の需要・供給の不均衡が、グローバル・フードシステムを通じて瞬時に波及し、国・地域の経済パフォーマンスに影響を与え、社会格差の拡大をもたらす時代に突入しています。さらに今後開発途上国を中心に予測される人口増や都市化による食料消費の質・量的変化の加速は、食料供給・流通・需要の全段階に影響を及ぼし、食料栄養安全保障に不確実性をもたらすと考えられます。
政策・戦略策定者にとり、グローバルなアジェンダ・セッティングの場に参画していくためには、グローバル・フードシステムに関わる現状分析・将来動向についての最新の知見や科学に基づく戦略的議論について、体系的に整理された情報へのアクセスが不可欠です。また、研究者にとっても、地球規模課題解決のための研究課題を見極める上で、世界の科学技術ニーズに関する情報を常に更新する必要性が高まっています。
本プログラムでは、複雑化・多様化する開発途上地域の農林水産業と地球規模の食料システムに係る課題や開発ニーズに関する情報を多角的に収集・分析し、国内外に広く情報を発信し、オピニオン・リーダーとして、科学的知見に基づき地球規模課題の解決策について情報発信していくことを目指します。
そのため、以下の取り組みを行います。
- 戦略的情報収集分析提供プロジェクト【戦略情報】
- 研究成果の実用化と事業展開を実現する民間連携モデルの構築【実用化連携】
- サブサハラアフリカでの農業デジタル化推進に貢献するための研究開発可能性調査【農業デジタル化情報】
- 熱帯性作物の持続的生産に向けた遺伝資源の情報整備と利用促進技術の開発および国内外との連携強化【熱帯作物資源】
- みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業【グリーンアジア】
研究成果情報
関連するJIRCASの動き
アセアン諸国の農業青年58名が国際農研を訪問
令和6年2月19日(月)、タイ、インドネシア、フィリピンの農業青年58名が国際農研を訪問しました。訪問人数を考慮し、2班に分かれて、国際農研の研究紹介(屋内講義)と八幡台圃場で屋外見学をそれぞれ行いました。
COP28における農林水産省イベントにおいてグリーンアジアの取組を紹介
令和5年11月30日~12月13日にかけて、アラブ首長国連邦(ドバイ)において「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)」が開催されました。国際的なイニシアティブであるAIM for Climateのイベントの一つとして、農林水産省主催により、グリーンアジアを紹介するセミナーが12月10日に開催されました。
プレスリリース
関連するイベント・シンポジウム
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オンライン
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ハイブリッド(アサウィングランドコンベンションホテルおよびオンライン) 住所:バンコク市ラクシー区カンペンペット6通り88
現地の動き
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Pick Up
1002. エルニーニョによる南部アフリカ干ばつ
2024-04-19 アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、2024年4-6月の間にエルニーニョ現象がエルニーニョ・南方振動平常時に移行し、6-8月にラニーニャ現象が発生する可能性を発表しました。世界各地で様々な異常気象を伴った今回のエルニーニョ現象により、南部アフリカでは2000万人の人々が干ばつの影響で急性の飢餓に直面していると伝えられています。国連ボランティア計画(UNV)から「サブサハラ・アフリカ諸国における気候変動・干ばつ等による水・食料危機に対応する日本-UNVパートナーシップ」の情報を提供します。 -
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1001. 熱帯の森から来た香り
2024-04-18 植物の香りは私たちの身の回りで活躍しています。特に疲れた心と体を癒してくれるアロマテラピーに使われる香りには、熱帯の森の植物が原料のものも少なくありません。例えば、沈香(じんこう)、白壇(びゃくだん)、竜脳(りゅうのう)などは名前を知らなくても、香りを嗅いだことのない人はほとんどいないはずです。熱帯林は木材資源の供給源としても重要ですが、こうした非木材林産物も人々の暮らしを支え、持続可能な林業を行う上で収入面の助けになる存在です。ここでは熱帯の森から来た香りをいくつか紹介します。 -
Pick Up
1000. 食料イノベーションと地球システム
2024-04-17 20世紀の食料イノベーションは、ローカルな生産環境制約を克服し、世界人口増加ペース以上の速さで食料増産を実現、飢饉の撲滅にとどまらず、都市化・グローバル化といった社会変容を伴ってきました。21世紀現在、地球の限界と地球沸騰化というグローバル・スケールでの新たな生産環境制約のもと、多様な遺伝資源の保全・回復を通じたレジリエントな作物の育種・品種開発の仕組み、および、食料栄養安全保障と地球システム安定化のカギを握る健全な土壌管理技術開発に向けた異分野連携、の重要性が増していくと考えられます。 -
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999. 気候変動・生物多様性喪失・感染症発生の因果関係
2024-04-16 今日、世界は気候変動・生物多様性喪失・感染症発生の3つの危機に直面しています。気候変動・生物多様性喪失・感染症発生の関係は、フィードバックループを通じて連鎖的な影響をもたらします。地球が直面する危機を解決するうえで、3つの危機の因果関係を理解することが重要です。 -
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998. 気候変動とチョコレート
2024-04-15 ここ数か月、チョコレートの原料であるココアの価格が高騰しています。2023年3月にキロ当たり2.75ドルであったココア価格は、2024年3月に7.09ドルと、158%も上昇しました。国連貿易開発会議(UNCTAD)は、最近のココア価格高騰の背景に、気候変動の影響を指摘します。