タイにおけるオイルパーム生産の現状:小規模農家に焦点をあてて

オイルパームは、熱帯地域で幅広く生産されている油料作物です。タイにおける生産量は、インドネシア、マレーシアに次いで世界第三位となっています。タイにおけるオイルパームの生産は、上位二国に比べて歴史が浅く、得られる情報も限られています。タイのオイルパーム生産の特徴は、小規模農家への依存が大きいことです。持続性のあるオイルパーム生産を推進している国際組織である、持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)は、タイにおけるオイルパーム栽培地域の76%が小規模農家によって管理されていると、報告しています。

ここでは、オイルパーム生産がめざましく発展しているタイにおいて、オイルパーム生産の潜在力と制約を理解することを目的として、同国のオイルパーム生産の現況を、小規模農家に焦点をあてつつ紹介します。

Oil palm production in Thailand – with special focus on small scale producers

タイにおけるオイルパーム生産は、2007年から2011年の間に、年間約6百万トンから約11百万トンに増加しました。スラッタニー県は国内生産量の約27%を産出する国内最大の生産県ですが(2011年)、同年の面積当たり収量は、クラビー県が最大(1ライ=0.16ha当たり約3トン)となっています。

タイのオイルパーム生産者は、生産面積によって、1)小規模農家、2)協同組合及び入植者組合、3)企業の3種類に分類されます。大部分の生産者は、小規模農家であり、一戸当たり栽培面積は10~20ライに過ぎません。

タイで生産されたパーム油の大部分は、国内で消費されています。パーム油の用途は、食品(調理油、コンデンスミルク、ショートニング、マーガリン等)と非食品(石けん等)があります。

同国のオイルパーム生産の問題点は、収量が低いことです。その原因は農家の栽培技術に関する知識が不足していること、種苗の品質が低いこと、農家の資金不足、降水量の不足が原因であることが報告されています。また、小規模農家は価格交渉力が低く、価格変動の影響を受けやすいことが経営上の問題となっています。